ALBUSノート

普段の写真こそいい思い出になる? 家の中で見つける子どもの成長

デザイナー、伊野が思う「家族の宝物」

「イベントやお出かけがないと、写真を撮る機会が少ない」。ユーザーさんから、そんな声を聞くことがあります。

ALBUSの生みの親である伊野は、家の中で撮る写真にこそ、子どもたちの成長が詰まっているといいます。

日常で訪れる「この瞬間を覚えておきたい」と思った場面を切り取るコツって? 伊野とパートナーの妙さんに話を聞いてみました。

「ハレ」の写真は環境が主役、「ケ」の写真は子どもたちが主役

伊野さんが家の中の様子も残しておこうと思ったきっかけはありますか?

伊野:「ハレとケ」の考え方がきっかけになっているのかなと思います。お祝い事やイベントなどをハレだとすると、毎日家の中で過ごす時間はケになる。

僕はケの時間の方に、子どもの成長がひそんでいると思っているんです。ハレの場ってそんなにたくさんあるものじゃないし、特別な時間は子どもたちも気構えているから、普段の自然な様子ではないんじゃないかな、と思っていて。

例えば、お菓子の缶や読みかけの本。そういう部屋の中の様子が映り込んでいると、使う物の種類やサイズの変化と比べることができて、子どもたちが大きくなったのがよくわかります。そういうのがあることで、撮った当時とアルバムを見ている時間がつながる感じも好きなんです。

なので、背景の情報をなるべく写し込みたいと思っています。写真のために、部屋の片付けはしません。ちょっとごちゃついている家の方がいい。

たしかに上の写真を見ると、子どもの行動の様子が伝わってきますね。

伊野:ハレの写真って、環境や場面が主役だと思うんです。反対にケの写真は、この子たちが主役になる。だから好きなのかもしれないですね。

七五三で記念写真を撮るよりも、家の中ならば七五三に行く前、わくわく楽しみにしている「子どもの表情」が残せる。子どもたちのふとした表情や自然な出来事に、より強く子どもの成長を感じることができると思うんです。

妙さんも、そうした写真を撮ることが多いのでしょうか?

妙:彼がいないときの、子どもの様子や行動で、見せてあげたいなというのを撮ってますね。顔がご飯粒だらけになってたりとか、兄弟でごっこ遊びをして変な格好をしていたりとか。家族の共有写真っていう感覚かもしれません。

伊野:逆に、僕は家族共有感覚では撮っていないので、そこは少しお互いの写真で異なる点ですね。妻の方が圧倒的に子どもたちと一緒にいる時間が多いので、彼女のはもっと普通の生活の中の写真が多いですね。

とはいえ、ALBUSを注文するときは二人が撮ったデータを合わせてから選ぶんですが、同じカメラで撮っているので、どっちが撮ったのかわからなくなることもあります(笑)

同じカメラを使っているんですね。それは、子どもたちのいろんな瞬間を逃さないために準備しているんですか?

伊野:いつでも手に取ってシャッターが切れるように、常にカメラを充電して、定位置に置いています。

伊野:カメラを構えたら悩まずシャッターを押せるようにしたいので、好みの設定にして「ただ撮るだけ」の状態にもしていて。

もちろん、カメラでなくてもスマートフォンでも十分だと思います。

写真映えしなくてもいい。日常の家族写真だから

伊野さんの写真は、お子さんが自然体のものが多いです。お子さんにどんな声かけをしているんでしょうか?

伊野:僕は撮影するとき、完全に受け身なんです。こういう写真を撮りたい、というイメージを持っているわけではなく、子どもたちの様子や家の中の光景が流れてくるからシャッターを切っている感覚です。

なので、子どもたちに「笑って」とかの要求はあまりしないです。子どもながらにそういうのって鬱陶しいかもしれないし(笑)。そんなことを続けたかいもあってか、子どもたちもカメラの前でもいつも自然体でいてくれるようになりました。

どうしたら、自然体のいい写真が撮れるんだろうと思っていたんですけど、受け身なんですね。

伊野:うーん……。そもそも、「いい写真」を撮ろうという感覚があまりないのかもしれません。すごい気楽に撮ってるんですよ。

子どもたちとただ一緒にいるだけでも、絶対に何かが起きるじゃないですか。それを受けて、ただシャッターを切っています。

インタビュー中、子どもが遊びにきたところもシャッターを切りました

なるほど。頑張って撮らないのが秘訣、のような。

伊野:そうですね、「頑張って撮る」ことはないです。頑張って撮る人って頭の中に、こういう写真であるべきだというような正解があるんだと思うんです。僕は、そういうのが全くないから気楽に撮れているのかもしれませんね。

しかも、ただの日常の家族写真ですから、自分の家に残すだけです。それなら写真映えする必要もないし、うまく撮る必要もないじゃないですか。なんでもいいんですよ、ALBUSの写真って。

うまく撮らなくていいの言葉に、ほっとしました。

伊野:それと、撮った写真をアルバムにいれるときは、20年後の自分の視点で選んでいるんです。その頃の自分が「面白いな」と思うだろうものを想像しながら。

それは、夫婦で共通しているんですか?

妙:私は20年後の自分が選ぶ、という考え方はしないんですけど、「子どもが大人になったときに見て面白い写真を」と思って選んでいるので、結局同じようなものなのかも。

いつか、みんなで見ながら話せるような写真が残ってたら楽しいかなって思ってます。

伊野:自分が子どもの頃のアルバムを見ると、親が写真がうまいわけじゃないんですが、それでもすごくいいアルバムになってる。こんな写真とか。

伊野:なんてことはない写真なんですが、この頃の楽しそうな感じや兄弟の関係、部屋の中の雰囲気がしっかり写ってる。そういうのが見ていて楽しいなって思うんですよね。

こんな誰でも撮れるような、部屋の中の写真。僕はこれを求めている感じがします。僕はこれが、まさに「家族の宝物」だなと思うんですよね。

僕ももっと写真を撮りたくなりました。今日はありがとうございました!

頑張らず、日常を受けて、シャッターを切る。

もっといい写真を撮りたい、写真を整理しなくちゃいけない……。アルバムをつくりながら、そんな義務感を抱いてしまっている方もいるかもしれません。

誰に見せるものでもない、家族写真だからこそ、ちょっとした失敗写真でも、素敵に思える写真でも大丈夫。肩の力を抜いて、シャッターを切ってみませんか?

💡アルバムづくりのアイデアを紹介している記事は以下よりご覧いただけます。
アルバムづくりをもっとたのしくする方法、あります。

執筆:西山桜、編集:株式会社ツドイ + 南澤悠佳(ALBUS編集部)

サポーターのみなさん。ALBUSの藤井です。今回は、子どもの成長の思い出を撮るなら家の中!という記事です。
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